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みなさんこんにちは。トークボックスという楽器を知っていますでしょうか。
ロボットが歌っているような、人間が歌っているような、不思議な音色がする楽器です。
トークボックスとは何か、その仕組みはどうなっているかについて説明したいと思います。
トークボックスとは何か
トークボックスは、ロボットのようなボーカル音を得るための装置や仕組みのことです。
別名「トーキングモジュレータ」とも呼ばれます。
なにはともあれ、百聞は一見に如かずです。トークボックスを聞きましょう。
上記は Zapp という Roger Troutman 率いるディスコバンドの演奏です。
Roger は世界で最も有名なトークボックス奏者であり、レジェンドと言っていいでしょう。
トークボックスの仕組み
動画で見ていただいた通り、彼はキーボードシンセサイザーを演奏し、チューブを咥えていますね。 また、彼が口を動かすとそのような発音が聞こえると思います。
一般的な音楽演奏との違い
一般的な楽器演奏やボーカルとの違いを見ていきましょう。
- 楽器演奏
楽器からの音はアンプで増幅され、スピーカから聞こえます。 - ボーカル
声がマイクを通してスピーカから聞こえます。 - トークボックス
楽器からの音がトークボックスを通して口に入り、マイクでその音を拾います。
つまり、トークボックスは楽器演奏とボーカルを足し合わせたような演奏スタイルと言えます。
どのように口に音を入れるか
楽器からの音をどのように口に入れるか疑問に思うかもしれません。
トークボックスでは楽器の音をチューブを通して口に入れることで実現しています。
音色は口の形に応じて変わります。
例えば、「あ」の口の形をすれば「あ」の音が、「う」の口の形だと「う」の音が聞こえます。
人体構造的に、母音は口の形で規定されるのでしょう。
一つ覚えていてほしいことは、トークボックス奏者は自ら声を発しているわけではないということです。
(参考)
トークボックスだけが音を口に入れる方法ではありません。
1940年代には SONOVOX と呼ばれる装置を利用し、人間の喉元から音を口に伝える方法が流行していました。
他のロボットサウンドとの違い
トークボックスはボコーダやオートチューンと混同されがちです。
トークボックスは楽器が音の源であり、奏者は声を出さないのに対し、ボコーダやオートチューンは歌手が実際に歌います。
詳しい仕組みは割愛しますが、以下のような違いがあります。
- ボコーダは人間の声とシンセサウンドを合成する技術
- オートチューンは人間の声のピッチ(音程)を制御する技術
ボコーダやオートチューンについてもどのような音がするのか聞いてみましょう。
ボコーダ
とてもきれいな音色ですね。トークボックスとの違いとして、和音が扱いやすいという点が挙げられます。
オートチューン
Daft Punkは日本でも流行りましたね。
www.youtube.com
J-POPでもよく利用されています。 www.youtube.com
上記で紹介したものはオートチューンの効果を強く感じさせる使い方をしています。
現代ポップスではオートチューンは欠かせないものとなっています。
以下の動画が生歌とオートチューンの比較になっているのでわかりやすいと思います。
どうでしたか?トークボックスに興味を持っていただけましたでしょうか。
では!